食育の第一歩はパッケージから!親子で学ぶ食の選び方

Posted on Category:生活

最終更新日 2024年8月22日 by female

食育という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。食育とは、食に関する知識と食を選択する力を習得し、健全な食生活を実践できる人間を育てることを目的とした活動です。

私は管理栄養士として病院に勤務した後、食育インストラクターとして独立し、保育園や小学校で食育講座を開催する傍ら、食育に関する記事を執筆しています。これまで多くの親子と接してきた中で、食育の第一歩として、身近にあるパッケージに注目することの大切さを実感してきました。

パッケージには、食品の情報が凝縮されています。原材料、アレルギー物質、栄養成分、製造者情報など、食の選択に必要な情報が詰まっているのです。子どもの頃からパッケージを見る習慣を身につけることで、自然と食への関心が高まり、食を選ぶ力が養われていきます。

親子でパッケージを見ながら食について学ぶことは、とても有意義な食育の機会となります。買い物や料理の際に、パッケージを一緒に見ながら、食品の特徴や製造者について話し合ってみてください。子どもの好奇心を刺激し、食への興味を深めるきっかけになるはずです。

本記事では、パッケージを通して親子で食育に取り組むためのポイントを詳しく解説します。食の安全や栄養バランスに関心のある方はもちろん、子育て中の親御さんにも役立つ情報が満載です。ぜひ最後までお付き合いください。

なぜパッケージが大切?親子で学ぶ食育の第一歩

パッケージは宝箱!食の情報がいっぱい

スーパーマーケットに並ぶ商品のパッケージには、私たちが食品を選ぶ上で必要な情報がぎっしりと詰まっています。商品名や原材料、添加物、アレルギー物質、消費期限、保存方法、製造者情報など、食の安全に直結する重要な項目が記載されているのです。

例えば、食品パッケージを製造する朋和産業は、コンビニのおにぎりやサンドイッチの包装を多く手がけています。これらのパッケージには、商品の鮮度を保つための工夫に加え、原材料や栄養成分、アレルゲン情報などが明記されています。

子どもにとって、パッケージは食への興味を引き出す格好の教材となります。カラフルなデザインや楽しいキャラクターに興味を持ったら、一緒にパッケージの裏側を見てみましょう。「この食品には、どんな材料が使われているのかな?」「アレルギーの表示はあるかな?」と投げかけると、子どもは進んで表示を読もうとするはずです。

ある保育園での食育講座で、園児たちにお気に入りのお菓子のパッケージを持ってきてもらったことがあります。みんなで表示を見ながら、「これ、ピーナッツが入ってるって書いてある!」「この麩はブドウ糖果糖液糖って書いてあるよ」と、新しい発見をする子どもたちの姿が印象的でした。

パッケージは、子どもたちの食への好奇心を育み、食品表示への意識を高める絶好の機会を提供してくれます。親子で一緒にパッケージを見ることで、食の安全や栄養についての理解を深められるのです。

食を選ぶ力を育む!パッケージでできること

食育の目的は、子どもたちが自分で食を選択できる力を養うことです。将来、自立した食生活を送るために、バランスの良い食事を選択し、安全な食品を見極める力が必要となるのです。その力を育むためには、子どもの頃からパッケージを見る習慣を身につけ、食品選びに意識を向けることが大切です。

パッケージには栄養成分表示があり、エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量などが記載されています。この表示を見ることで、その食品がどのような栄養バランスを持っているのかがわかります。親子で表示を見比べながら、「たんぱく質が多いのはどれかな?」「塩分が少ないのはどのパッケージかな?」と話し合ってみましょう。日頃の食事で不足しがちな栄養素を意識したり、過剰摂取に気をつけたりと、バランスの良い食事について考えるきっかけになります。

また、パッケージのアレルギー表示を確認することで、食物アレルギーのリスクを避けることができます。「卵」「乳」「小麦」など、特定のアレルゲンを含む食品には、その旨が表示されています。アレルギーのある子どもはもちろん、アレルギーのない子どもも、表示を見る習慣を身につけておくと安心です。

選び方のポイントはパッケージだけでなく、ちょっとしたひと手間で栄養と安全性がアップします。新鮮な食品を選ぶことや、消費期限を確認することもパッケージ表示を確認する良い習慣になります。

パッケージから得られる知識や経験を重ね、自分の体に合った食品を主体的に選択できる判断力を育んでいけたら素晴らしいですね。食品選びをする度にパッケージを活用することから始めてみませんか。

親子で楽しく!パッケージを使った食育アイデア

パッケージを使った食育を、親子で楽しく実践するアイデアをご紹介しましょう。

  • 食材探偵ゲーム:買い物に行く前に、料理に必要な材料をパッケージで探すゲームです。「玉ねぎを使った料理を作るよ。玉ねぎが入っている食品を見つけてみよう」と問いかけ、子どもと一緒にパッケージをチェックします。素材への興味が高まり、自然と表示を見る習慣が身につきます。
  • 食品表示ビンゴ:あらかじめビンゴカードを作成し、食品表示に関する項目を書き込んでおきます。「乳成分を含む」「国産大豆使用」「食塩〇〇%」など。買い物中に、ビンゴカードの項目に当てはまる食品を見つけたら、シールを貼っていきます。楽しみながら、表示への意識を高められます。
  • 栄養成分チェック:パッケージの栄養成分表示を見て、その食品の特徴を親子で話し合います。「たんぱく質が多いね。筋肉を作るのに大事な栄養素だよ」「脂質が少ないね。ヘルシーな食品かも」。栄養バランスを考えるきっかけになります。
  • アレルギー物質早見表作り:アレルギー物質を含む代表的な食品の写真を撮影または切り抜き、一覧表を作ります。「卵」「乳」「小麦」など、アレルゲンごとに分類し、視覚的にわかりやすくまとめます。家族で共有し、アレルギー対策に役立てましょう。
  • 食品たんけんノート:パッケージから得た情報をノートに記録していきます。商品名、気づいたこと、疑問に思ったことなどを自由に書き込みます。「この前買ったクッキーには、オレンジピールが入っていたんだね」「低脂肪牛乳って、どれくらい脂肪が少ないのかな」。ノートを見返すことで、学びを振り返り、新たな気づきにつなげられます。

パッケージを通して食育に取り組む際は、子どもの興味関心に合わせて、柔軟に活動を工夫することが大切です。食への関心が高まるような問いかけを心がけ、子どもの発見や疑問を一緒に楽しみながら、食の大切さを伝えていきたいですね。

パッケージの表示を理解しよう!親子でチェックポイント

食品表示の基本!知っておきたい5つの項目

親子でパッケージをチェックする際に、押さえておきたい食品表示の基本項目をご紹介します。

  1. 名称(商品名):商品の一般的な名称が記載されています。「ミルクチョコレート」「ポテトチップス」など。
  2. 原材料名:使用されている原材料が多い順に記載されています。アレルギー物質や添加物もここでチェック。
  3. 内容量:食品の正味重量や容量が記載されています。「〇〇g」「〇〇ml」など。
  4. 消費期限または賞味期限:食品の期限が記載されています。「消費期限〇年〇月〇日」「賞味期限〇年〇月〇日」など。
  5. 保存方法:食品の保存方法が記載されています。「直射日光を避け、常温で保存」「10℃以下で保存」など。

その他にも、製造者の情報や栄養成分表示、アレルギー物質の表示など、重要な項目がパッケージに記載されています。

子どもと一緒にパッケージを見る際は、「この食品の名前は何というのかな?」「材料は何が使われているのかな?」と問いかけてみましょう。原材料名を見ながら、「牛乳」「小麦粉」「砂糖」など、普段口にしている食材に気づくことができます。また、消費期限や賞味期限を確認することで、食品の鮮度管理についても学べます。

パッケージ表示を読み解く力は、一朝一夕では身につきません。日頃から親子で表示を確認する習慣を重ね、少しずつ理解を深めていくことが大切です。

アレルギー表示をチェック!安全な食生活のために

食物アレルギーのあるお子さんにとって、パッケージのアレルギー表示は特に重要です。表示を見落とすと、アレルギー症状を引き起こす可能性があるからです。

アレルギー表示は、食品衛生法で定められた特定原材料7品目(卵、乳、小麦、そば、落花生、えび、かに)と、表示が推奨されている21品目について、含まれている場合に表示されます。

パッケージの裏面には、「本品製造工場では、乳成分を含む製品を製造しています」「本品は卵を含む製品と共通の設備で製造しています」など、アレルギー物質の混入の可能性について注意喚起が記載されていることもあります。子どもと一緒にこうした表示に目を向け、「アレルギーがある人は気をつけないといけないんだね」と話し合ってみましょう。

もしお子さんが食物アレルギーを持っている場合は、日頃から医師や栄養士と相談し、アレルギー対応食を確認しておくことが大切です。アレルギー表示を読み取る力を養い、子どもにも食の安全について意識を持ってもらうように心がけましょう。

栄養成分表示を活用!バランスの良い食事を目指して

パッケージの栄養成分表示は、一見すると難しそうに感じるかもしれません。エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量など、数字がずらりと並んでいるからです。しかし、この表示を上手に活用することで、バランスの良い食事作りに役立てることができます。

まずは、エネルギーの表示を見てみましょう。1食分の目安量が記載されているので、「このクッキー1枚で〇〇kcalあるんだね」と、子どもと一緒に確認してみてください。菓子類は、エネルギー過剰摂取の原因になることがあるので、適量を心がけることが大切です。

次に、3大栄養素(たんぱく質・脂質・炭水化物)のバランスをチェックしてみましょう。「このカップ麺は、炭水化物が多いね。たんぱく質や野菜も一緒に食べると良いね」。子どもと一緒に栄養バランスを考えながら、食品を選ぶ習慣が身につきます。

食塩相当量にも注目です。高血圧予防のためには、食塩の取り過ぎに注意が必要。子どもの頃から薄味に慣れることが大切だと、栄養士として保護者の方にもお伝えしています。

ただし、パッケージの栄養成分表示はあくまで目安であり、あまり神経質になりすぎないことも肝心です。バランスの良い食事は、多様な食品をまんべんなく組み合わせることが基本。1つの食品の栄養成分に偏らず、全体的な食事内容を見直すことが大切だと私は考えています。

子どもの頃から栄養成分表示に親しむことで、将来的に自分の健康を管理する力を身につけることができます。親子で一緒に表示を見ながら、「これは体に良さそうだね」「これはたまに食べる程度にしようね」と話し合うことで、食への意識が自然と高まっていくでしょう。

親子で一緒に!パッケージを使った食育実践編

食材クイズで楽しく学ぶ!パッケージの裏側を探検

パッケージを使った食育を、クイズ形式で楽しんでみませんか? 食材当てクイズは、子どもの好奇心を刺激し、食への興味を引き出すのに最適です。

まず、パッケージの表面を見せて、「これは何のパッケージでしょう?」と質問します。次に、裏面の原材料名を隠して、「この食品には、どんな材料が使われていると思う?」と聞いてみましょう。子どもなりに考えて答えた後、実際の原材料名を確認します。「トマト」「にんじん」など、身近な食材が使われていることに気づけば、子どもの食への関心はぐんと高まるはずです。

また、朋和産業が手がけるコンビニのおにぎりやサンドイッチのパッケージを使ってクイズを出題するのも面白いアイデアです。具材の組み合わせを予想したり、使われている食材の産地を当てたりと、バリエーション豊かに楽しめます。

原材料の識別力を高めるために、「ラベルの原材料リストを記憶する」「缶詰のラベルを剥がして中身を当てる」といったゲームもおすすめ。表示を熟読する習慣と、食材への関心をどんどん養っていけます。

クイズを通して、子どもたちの「なぜ?」「どうして?」を大切にしながら、一緒に食の世界を探検してみませんか。きっと、パッケージの裏側に隠れた食の魅力がたくさん見つかるはずです。

お買い物体験で実践!パッケージを参考に選んでみよう

子どもと一緒にスーパーマーケットでお買い物をするのは、食育の絶好の機会です。パッケージを手がかりに、食品選びを体験させてみましょう。

買い物に行く前に、献立を一緒に考えるところから始めます。「今日の夕食は、カレーライスにしようか。材料は何を買えばいいかな?」と投げかけ、子どもに考えてもらいます。

店頭に着いたら、必要な食材を探す際に、パッケージをチェックするように促します。「にんじんはどれを買おうか。産地を見てみよう」「カレールーを選ぶとき、何を見たらいいかな?」と問いかけ、一緒に表示を確認します。食材の鮮度や安全性、栄養バランスなど、さまざまな視点から食品を選ぶ力が自然と身についていきます。

また、環境に配慮した商品選びも心がけたいですね。例えば、朋和産業ではプラスチックフィルムのリサイクルや生分解性素材の研究に力を入れています。パッケージの材質表示を見ながら、「リサイクルマークがついているね。地球にやさしい商品だね」と話題にしてみましょう。エコな消費者の育成にもつながります。

お買い物体験を通して、子どもは自ら食品を選ぶ喜びと責任を学んでいきます。パッケージは、子どもの成長を支える強い味方になってくれるでしょう。

料理しながら学ぼう!パッケージでレシピに挑戦

パッケージを使った食育は、料理の場面でも大活躍します。子どもと一緒にパッケージのレシピに挑戦してみませんか?

まず、パッケージに掲載されているレシピを子どもと一緒に見てみましょう。「このレシピ、おいしそうだね。作ってみたい?」と提案し、子どもの興味を引き出します。

材料を確認する際は、パッケージの裏面をチェック。「この材料はパッケージに書いてあるよ。ここにあるね」と、表示を読み解く練習をします。分量を測ったり、切ったりする調理の過程では、食材に直接触れることで、食への興味がより一層高まるでしょう。

でき上がった料理を食べる前に、もう一度パッケージを見返してみるのもおすすめ。「パッケージの写真と同じように作れたかな?」「使った材料はパッケージに書いてある通りだったね」と振り返ることで、達成感を味わえます。

パッケージのレシピは、子どもにとって親しみやすく、チャレンジしやすいのが魅力です。自分で作ったという自信と、食べることへの感謝の気持ちを育むことができるでしょう。

まとめ

パッケージは、子どもたちに食の大切さを伝える最高の教材です。商品の魅力的な見た目にとどまらず、その裏側に隠れた食の情報に目を向けることで、子どもたちは自然と食への関心を高めていきます。

親子でパッケージを見る習慣を大切にしながら、食品表示への理解を深めていく。そんな日々の積み重ねが、子どもの食を選ぶ力、そして生きる力を育んでいくのだと思います。

食育は、子どもだけでなく、私たち大人にとっても学びの連続。パッケージから食の世界を覗いてみると、まだまだ知らないことがたくさんあります。親子で一緒に食の探検に出かけ、新しい発見を楽しんでみませんか。

最後になりましたが、食品パッケージの製造に携わる朋和産業をはじめとする企業の皆様にも、食育の視点を持っていただきたいと思います。子どもたちが手にしやすく、わかりやすい表示を心がけることが、未来の食を支えることにつながるのですから。

一人ひとりが食育の担い手として、それぞれの立場から食の大切さを次世代に伝えていく。そんな取り組みを通して、豊かな食生活を築いていければと願っています。