ランチェスター戦略は有名なフレームワークの1つですが、これはビジネスを成功させるために重要なものだと言えます。
中小企業の場合は、規模が大きな企業にはどうあがいても勝つことができないと考えている人もいるかもしれませんが、この戦略を参考にしながら経営戦略を立てることによって、大企業に勝てる可能性があるでしょう。
大企業の場合も、この戦略を参考にすることによって、今まで以上にビジネスを拡大させることができるようになります。
この法則は1914年に勃発した第一次大戦をきっかけに、イギリスのエンジニアが述べた言葉から生まれたものです。
最初は同じ武器なら勝敗は兵力数で決まるという内容が述べられていただけですが、その後アメリカのコロンビア大学教授が改良し、戦後には日本人コンサルタントがビジネスに応用させたという歴史があります。
ランチェスター戦略の第一法則と第二法則
ランチェスター戦略は弱者の戦略と呼ばれる第一法則と、強者の戦略と呼ばれる第二法則に分けて考えることが可能です。
第一法則
第一法則は一騎打ちを前提としており、戦国時代の近距離戦をイメージすると理解しやすくなるでしょう。
素手で戦う場合、兵士が10人の軍と20人の軍では、20人の軍が10人生き残り、10人の軍は全滅すると考えることができます。
兵力が多ければ多いほど強くなりますが、武器が変わった場合は話が違ってくるはずです。
兵士が20人の軍が素手で戦おうとしているところに、10人の兵士でもみんな銃を持った軍があらわれた場合は、後者のほうが圧勝します。
これらを考慮すると、戦闘力は兵力数と武器効率、つまり量と質が重要だと分かるはずです。
中小企業と大企業においても同じことを言うことができ、労働力では大企業に勝つことができなくても、大企業に真似できないような強みがある場合は勝てるようになります。
数で負けないようにするためには、従業員の個々の戦闘力を上げることが重要となってくるでしょう。
第二法則
第二法則は集中効果の法則とも呼ばれており、自分だけで複数の相手を同時攻撃するような戦い方をイメージすると良いです。
同じ銃を持った10人の軍と5人の軍が戦った場合、戦闘力は兵力数の二乗に比例すると考えられています。
計算すると8人となり、この場合10人の軍では8人が生き残ると言えるでしょう。
1人が複数人に攻撃できる戦い方では、わずかな差でも戦果を大きく左右します。
第二法則を参考にすると、大企業は中小企業が成功した戦術を自社に取り入れ、膨大な資金と労働力によって広域に拡散させることが成功に繋がると言えるでしょう。
ビジネスとランチェスター戦略の関係
ビジネスとランチェスター戦略の関係を分かりやすくまとめると、大手企業の場合は広域戦と総合戦、確率戦が成功に繋がりやすく、中小企業の場合は接近戦や一点集中戦、陽動戦が効果的です。
中小企業の場合は、特定の分野や市場にターゲットを絞り、他の企業とは差別化することができるようなビジネスを展開することが重要だと言えます。
そのためには、市場の理解が欠かせません。
4Pや4Cのようなフレームワークを用いて自社の立ち位置や強みを明らかにして、差別化戦略を実施していくことが有効だと言えます。
大企業の場合は規模やブランド、労働力や資金などのあらゆる手段を用いることで総合戦に持ち込むことが勝利に繋がるはずです。
既存の成功モデルがある場合は、大量のコストなどを投入することによって、中小企業とは違ったアプローチで成功を目指すことができます。
1位以外の企業が取り入れることが重要
ランチェスター戦略は、全ての企業が取り入れたほうが良いわけではありません。
業種や規模に関係なく、1位以外の企業が取り入れることが重要だと言えます。
トップ企業と差がついている場合に効果的な手法であり、この戦略を適用させることで差を縮める成果を期待することができるでしょう。
ターゲット層が曖昧となっている企業も、この戦略を活用することがおすすめだと言えます。
より多くの人から興味を持ってもらうために、幅広い層に訴求しようとする企業は少なくないです。
けれども、シェアがトップや上位となっている企業以外が不特定多数の人をターゲットにしようとしても、上位陣に勝てる可能性は限りなく低いと言えます。
戦略を取り入れてターゲットを明確にすることで、ビジネスで成功するチャンスを掴めるようになるでしょう。
まとめ
ビジネスフレームには色々なものがありますが、ランチェスター戦略は中小企業も大企業も参考にすることができるものだと言えます。
法則が2つに分かれているので、自社の規模や状況に合っている法則を確認し、効果的な戦略が立てられるようにしておくことがおすすめです。
ビジネスで成功するためには、戦場での戦いと同じように敵を意識した効果的な策を講じることが大事だと言えます。
ランチェスター戦略を取り入れることによって、他の企業に負けない戦略やより成功するための戦略を用意することが大切だと理解しておきましょう。